ピオーネ

ピオーネ

祖母からピオーネが送られてくる.栽培場所は低地で温度差があまりなく色付きが良くない.家で食べる程度の量ができる広さで,もともとマスカットを作っていた場所なのだが,幼い頃の私の「マスカットより巨峰がいい」という一言で今は亡き祖父が長年植えていたマスカットの木をバッサリと切り,翌年,ピオーネを植えたという経緯がある.
今年は不作だったらしいが,もとより若いものあり痛んだものありで味が一定ではない.最近ではこのバラツキも楽しめるようになってきた.味,形,収量の不均一を拒んだ結果が事故米などにつながるのではないだろうかと食べながら,ふと思った.つまり,年に左右されにくい収量,均一な形,均一な味,見た目の良さ,そういうものを求めた結果起こった"事件"なのだろう.とても当たり前でつまらない文章になった.1粒腐ったブドウが入っているだけでクレームがついたりするなら売る側は,消費者のためにきれいな農薬使用のブドウを選ぶだろう*1.有機,無農薬と安心を売るラベルはたくさんあるが,農薬を使って栽培したものと味が異なって当たり前.同じラベル内でもそれぞれ味は異なり,また,味のバラツキ度合いも異なる.ラベルで安心できるのは頭だけである.頭偏重であるかぎり偽装は無くならないだろう.
ただ,日本酒に関しては有機米のお酒は雑味を感じるものが多いような気がする.酒呑みとしては悩ましいところだ.そういえば,事故米流通リストに酒造メーカーが書かれていたが鹿児島など九州が多かった.おそらく蒸溜して焼酎にするためなんだろう.記憶では鹿児島に日本酒の蔵元はなかったはず.

*1:ピオーネ自体,種無しにするためジベレリン処理をするのだが...